■日月抄 ひづきしょう 市民劇団尾道テゴー座第10回公演■場面ダイジェスト〈物語〉 第一場〜第四場


第一場 練習風景より
春風館の一室にて・・・
歓談の中別部屋に入り絵を描き始める姉妹

玉葆の言葉に少し耳を傾けつつも黙々と描き続ける玉蘊であったが、内心は確かに何かの予感する気持ちも芽生えつつもある玉蘊だった。
山陽にしても、すでに姉妹の事は以前から気になってはいたが・・・ 会うのは始めてであった。
  山陽の賛がひどく気に入り、部屋を出て行く父杏平であった。
  この時代に女性を人前で褒めちぎるとは驚いた父  何せ驚き心が揺れたのは玉蘊であった。

玉蘊   すべき事とは・・・なんでありましょうか・・・

山陽   私の事はドウでもよろしい・・・しかし見事な牡丹の絵ですナァ・・・
よろしければここに詩を添えさせて頂きたいと・・・如何かな

玉葆   あの〜・・・私には解らないのですが・・どういう意味ですの・・お姉さま

杏坪   一点の塵もついていない清らかな気品は、まさに仙女、この世のものとは思えない
美しさだ。「かえって画く 名花 濃艶の姿」    
――この人が、こんなあでやかな牡丹を描くなんで。こんなに才能豊かな女性が、
この世に存在するなんて。 知らなかったなあ〜と言う事ですよ・・・

玉葆   す・て・きー・・・涙が出てしまうわ・・

玉蘊   少し黙っていなさい・・・もう・・・

    続いて山陽も部屋を出て行こうとしてハタと玉蘊姉妹に詩を書いた。

山陽   昨日からお二人を見て浮かんだ詩があります。筆を・・・

    山陽の事は色々と知ってはいたつもりであった玉蘊。
しかし予想外の一面を知ったとたん心の中で何かがいっそう動き出した。

 

本来ならば帰る予定にしていたその日、
石井ギケイという山陽の友人が舟遊びの
誘いに来、山陽と玉蘊一向はそれに応じて
別々に船に向かった。

この日が全ての始まりだった。

第二場 練習風景より

山陽   眩しくて、眩しくて・・・驚いた。まさか・・夢ではないだろうか・・鳳凰が・・

石井   何を言っているのだ・・・この無礼者が・・だいたいな山陽

山陽   少し黙ってくれ、今私は幻影とも、現実ともつかぬこの感情は・・・

玉蘊   どうなさいました・・・山陽様

山陽   眩しい・・・

玉蘊   山陽様、船酔いか、疲れが重なってうなされたので御座いましょう・・・御戯れを

玉葆   お姉さま、御戯れでは御座いません、
山陽様のあの眼差しは一向にさめる気配は御座いませんことよ。ホラホラ・・・

杏坪   如何致したと言うのじゃ、先程より目が血走っておるぞ・・・山陽・・・山陽これ

 


第三場 練習風景より
竹原の舟遊びから二年が過ぎようとした玉蘊
二十三歳、山陽二十九歳。

橋本竹下二十歳の人間模様。

舞台は尾道。
揺れる乙女心を気遣う母と竹下であった。

  そんなに大切に手紙ばかりを見ていて飽きないのですか、

玉蘊   お母様、私の宝物です。この手紙の山は。
何度も何度も読み返しいるうちに、
ここに山陽様が座られているような気になってきますの。

  ・・・・何時来るかわからない手紙を待つお前を見るのは辛い。
何か進展があるといいのだけどネェ、風が出てきたから戸を閉めてきますね。
瞬時にうつろいゆく夕暮れのひと時。瀬戸内の最も綺麗な時間帯だ・・・
少し酔われたせいも有り、少し声が大きくなり・・・・
わからぬか、山紫水白その時の事を心に焼き付けた山陽が居ると言う事・・
山紫水白・・・・・・玉蘊さんとの出会いの日に作った詩だということだ。
私はこの言葉を生涯の句とする・・・・如何な事があったとしても。

  女は待つしかないのでしょうかネェ

玉蘊   お母様、きっと山陽様は今すべき重大な事に夢中なのですよ。

 

玉蘊の元に届いた山陽からの手紙。
妻として迎えに行くという言葉をじっと待っているが、
月日が流れるばかりであった。
慈仙の勧めもあって意を決し京に上がる決意をした
玉蘊達であったが世間体もあり
表向きは絵の勉強という事にしていた。
京に上がるが逢えない山陽に気ばかりが焦る。

第四場 練習風景より
    山陽も色恋沙汰などもってのほか。確かに 身体が危うい状況でもあった。
    そしてやっと加茂川のほとりで会う二人。

山陽   章(あや)解ってくれないか・・・

玉蘊   久様、久様・・・何を解れと言われますか、私が居てはお邪魔でしょうか。

山陽   時期が悪いのじゃ、今しばらく辛抱してくれ、尾道に帰ってくれ。 すまん。

玉蘊   お聞かせください、何故ですか、何故居てはならないのですか。 ご迷惑は

山陽   今ここに章が居る事が迷惑なんだ

玉蘊   久様が帰れないように私も尾道には帰りたくないし、帰れません。

山陽   章が京に居るだけで、それが知れれば又座敷牢もんだ。

玉蘊   私が絵の勉強に来ているといっても

山陽   同じ事だそんな事、誰が信じるというのだ、とにかく今は尾道へ帰ってくれ。

玉蘊   ・・・久様


≫第五場へと続く・・・


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 場面ダイジェスト
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  第五場〜第八場

 キャスト〈登場人物〉
 スタッフ
◆公演日時
平成17年11月26日(土)
 会場16:00 開演16:30

平成17年11月27日(日)
 会場18:00 開演18:30
◆会場
JR尾道駅前(しまなみ交流館)テアトロシェルネ

1・2階席
 2,500円(当日券2,800円)

  3階席
 1,500円(当日券1,800円)

学生(全席共通)
  800円(当日券1,000円)

◆チケット取り扱い
尾道市観光文化課
TEL:0848-25-7366

テアトロシェルネ1F
観光コーナー
TEL:0848-25-4078

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◆お問い合わせ
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主催
NPO法人尾道てごう座
後援
尾道市
尾道市教育委員会
尾道市文化協会
文学フェア実行委員会
尾道商工会議所
尾道観光協会
山陽日日新聞社
中国新聞備後本社
広島テレビ
広島ガス
尾道ケーブルテレビ
尾道エフエム放送

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