瓦斯灯が数本、尾道駅前の桟橋にたっている。 其の夜 大学の教え子四人と、其処に立った。 大潮の為か、尾道水道の潮の流れは速かった。 其の潮の流れに立ち向かう船は、悪戦苦闘し、 其の潮の流れにのる船は、魔法を掛けたかのように、 入り江に吸い込まれていく。 二十歳前後の彼女達に、 瓦斯灯の炎の明かりは、 瞬間だが、 大人と子供の顔を照らし出す。 一人の学生が言った。 「先生、素敵な詩を私知ってます。確かこんな詩でした・・・」