2005年5月号
浄土寺・薪能


前略、
昨夜、薪能を見て来ました。
能を知らない私は、
山門を入るまでは少し緊張していました。

薄暮にうっすらと輪郭だけを残す多宝塔と、
揺れる篝火が印象的な世界を作り上げていました。
初老のご夫妻が私に話しかけてくれました。

境内の四隅にある篝火は場内を清める為と・・・
能面に魂を吹き込む息吹なのですよって。
そらそら、見て御覧なさい・・・御顔が・・・

写真家 村上宏治 尾道 しまなみ 瀬戸内 カメラマン
写真家 村上宏治 尾道 しまなみ 瀬戸内 カメラマン  揺れる炎の灯かりに確かに変化する能面。
 言葉の意味も解らない私でありましたが、
 何か心の中で聞こえてきた気がします。
 ゆっくりとした動きのはずなのに、
 何か激しい舞を見たような気がしてきました。

 少し肌寒くもありましたが、
 演目が終わりしばし篝火を見ていましたら、
 何故だか父や母のことを想い出していました。
 明日、墓参りに行こうかと考えています。
            五月十五日   浄土寺境内にて・・・・
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