▲平行垂木[和様]
      上重・下重とも二軒で繁垂木になる。









 宮大工にとって、
 建てるのが最も難しい多宝塔。


私は、唐の修理工事もいくつか手がけて きましたが、なかでも、興味をそそられる のが「多宝塔」です。 多宝塔を造るのは とても難しいんです。五重塔というのは、 各層の作りがほとんど同じなので、そん  なに難しくない。下の層から作って、その 上に少し小さめに作った上の層を載せて いくだけですから。だから、よほど腕がよ くないと、いい多宝塔はできないわけで、 やはり中世の大工が造った多宝塔が一  番いいとおもいます。    

(『宮大工千 年の知恵』より抜粋)
 

▲下重の和様斗きょう・
  鼻木〔禅宗様〕

柱を突き抜けた頭貫(柱をつなぐ水平材)の先端は、若葉を象った植物文様を意匠化した禅宗系木鼻となる。


 上重の詰組〔禅宗様〕と
 大仏様の肘木・尾垂木

組物は和様斗きょうを基準とした四手先(4段に斗きょう
を積み重ねる)にし、柱間の中備にも斗きょうを組む
詰組を行い、屋根を華麗な意匠で支える。
一部の肘木と尾垂木(斗きょうに組み込まれた斜め下に
向かう湾曲材)の先端に鼻繰が施されている。
なお、尾垂木に絵様を付けるのは、江戸時代以降の
ことであり、本例はその先駆的な最古例である。