駄菓子編

遊んで食べられるという駄菓子を一つあげると、
フエガムということになるだろう。




1粒2センチの円盤に、この二つの機能が完結している。

 発売は昭和28年。大阪の錠菓のメーカー丹信堂の主人が開発した粉を笛の形にする技術に、ガムメーカー のハリス(コリスの前身)が着目したのだ。当時、ハリスは、ガムベースを粉にする技術を持っていた。この 二つをドッキングさせれば、ガムが笛がつくれる。その発想が見事に功を奏したのだ。

 しかし、生産量には限界があった。笛の二つのパーツを張り合わせる作業は、人の手でしかできなかったか らだ。フエガムを受け継いだコリスでは、この工程を機械化するために社員全員からアイデアを募集した。そ うして、ようやく昭和35年になって機械化することができたという。こんな小さな駄菓子にも、「笛の形を つくる技術」「ガムを粉にする技術」「合体の技術」と三つも特許があるそうだ。

 40年代に入ると、他の素材を使って笛シリーズの開発をはじめる。48年にフエラムネを出し、次にフエ チョコの開発に取りかかった。しかし、チョコレートは口の中ですぐに溶けてしまい、発想だおれに終わっ た。だが、51年にフエキャンデーを完成させた。これらは、国内ばかりではなく世界各地に輸出され、多く の子どもたちを楽しませている。小さいながらも、世界が認める日本の技術力の一つの結晶なのである。


前のページ INDEXへ 次のページ

erm@ermjp.com