いつか来た道・中華そば編
「坂の町」から「ラーメンの町」へ「尾道ラーメン」
 大林宣彦監督によるが尾道3部作のおかげで、広島県尾道市は若者たちにすっかり有名な町となった。古い町並みと石畳の坂道で知られるこの町は、じつはご当地ラーメンの町でもある。

 尾道ラーメンは、昭和3年まで、そのルーツをさかのぼることができる、年期の入ったラーメンだ。中国・ 福建省出身の張さんという中国人が、尾道にラーメンを根づかせた功労者である。

 中村製麺所に住み込んでいた張さんは、手回しメン延ばし機をつかってメンをつくり、トンコツスープのラ ーメンを売りだした。このラーメンは、尾道の人たちに好評で、その後尾道の町には、同じ製法でラーメンを つくる店が続々と生まれた。こうして尾道は、ラーメンの町となっていった。

 尾道ラーメンは、コクのあるスープとコシのあるメンに定評がある。とくに、スープの表面に、豚の背アブ ラが揚げ玉のように浮いているところが、ほかのラーメンにない大きな特徴だ。

 観光で尾道を訪れ、はじめて尾道ラーメンを食べ、意外なうまさにファンになる人も多い。みやげ用のラー メンをだしている店もあり、いま尾道ラーメンは、全国にそのファンを増やそうとしている。これからは全国 の映画ファンだけでなく、ラーメンファンからも人気を獲得しそうな気配の尾道である。

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